おみやげにいただいた長餅は、小袋に入っていました。
おそらく大袋にはKーコートナイロンなどの酸素が透過しない包装材料を使用し脱酸素剤を投入し、小袋はポリエチレンのような酸素が透過する袋を使われていたのだと思います。結果的に大袋の中の商品は脱酸素状態となり、カビの発育が抑えられていましたが、大袋を開けてみんなで分けた際に、小袋には酸素がどんどん入ってきてカビが発育したのでしょう。カビは酸素が無ければ発育できない好気性真菌です。
カビは加熱には弱い真菌ですので、長餅を焼いた時点では死滅していました。その後の冷却工程で二次汚染されたのです。
地方のおみやげ物屋さんでは、工場全体を無菌状態にすることは困難です。
そこで加熱後包装までの中で滞留時間が最も長くなる冷却工程だけを無菌にします。クリーンブースなどを購入し、内部を陽圧に保つことも必要です。
包装機もできればクリーンブースに入れば良いのですが難しいと思いますので、冷却済みの長餅を最小量ずつブースから取り出し、包装してゆきます。
包装機周辺はカビ専用のアルコール製剤で定期的に殺菌する必要があります。もちろん包装作業の方はディスポーザルのビニール手袋をして手袋表面をアルコール殺菌します。作業着もクリーンルーム仕様の埃のつきにくい物にして、作業前には粘着ローラーで作業着の埃を取ってやることも必要です。
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