食品ネット分析室 

食の安全の為、本当に健康に良くないもの?本当に危険なものを考えてみましょう。
添加物だけでなく、環境衛生や分析手法などの画像もアップしています。
 
食品へのアリの混入
ants
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オーストラリアから輸入された粉末食品原料からアリがみつかりました。
日本産アリ類画像データーベースで検索してみるとムネホソアリのようです。過酸化水素につけてみると発砲しますのでアリの体内にあるカタラーゼがまだ働いている・・・・すなわち死後あまり時間が経過していないことが推測できます。世界のアリ分布でみるとオーストラリアには分布していないアリであることからも日本に輸入された後比較的最近国内で混入したことが推定されました。
なんだか検死官をやっているようでした。
| trinity | 食品一般 | 14:30 | - | - | PAGE TOP
グラム染色が苦手な私
私はグラム染色が苦手です。 冷や汗
細菌の種類を同定するのに欠かすことのできない染色試験ですがめんどっくさくって、手は汚れるし嫌いです。そこで妙案3%のNaOH(苛性ソーダ)液を用意してスライドガラスに1滴、その中に菌のコロニ-からとった菌体をつけてやり溶けてネバネバすればグラム陰性、ネバネバしなければグラム陽性ほぼ100%の確率であたりです。
ご同類の方はぜひ試してみてください。便利ですよ グッド
| trinity | 細菌一般 | 11:58 | comments(0) | trackbacks(7) | PAGE TOP
食品のネバネバ
hamslimes
赤文字をクリックして大画面へ
     写真は画像処理を施しておりますので実物とは異なります。
食品のネバネバでまず思い出すのが納豆これはBacullus subtilis natto(納豆菌)の作るポリグルタミン酸だったかと思いますが、スライスハムや蒲鉾でもネバネバ(業界用語ではネトという)が発生することがあります。
これは食品の中に含まれるお砂糖を原料に、ハムの場合Leuconostoc mesenteroidesもしくは Lueconostoc dextranicum(ロイコノストック)というバイ菌がデキストランを作っているのです。蒲鉾の場合もお砂糖を原料にBacillus subtilisもしくはBacillus licheniformis(バシラスorバチルス)というバイ菌がレバンを作っているのです。
お砂糖はブドウ糖(G)と果糖(F)が連なったF-Gといった構造をしていますが
デキストランの場合はF-G-G-G-G-G-Gといった感じでブドウ糖がつながって水飴状になったものレバンの場合はF-F-F-F-F-F-F-Gといった感じで果糖が連なったものです。
ロイコノストックは乳酸菌の一種で芽胞は作りませんので製造時に加熱した後の二次汚染が原因です。バチルスは芽胞を作るのでどこからネトが出ているかを観察します。表面だけであれば二次汚染、内部にもでていれば加熱前の製造工程で混入し耐熱性芽胞が加熱でも死なずに生き残ったことがわかります。
| trinity | 腐敗 | 11:50 | comments(0) | trackbacks(3) | PAGE TOP
バイ菌のかけっこ
顕微鏡の中で泳ぎ回る大腸菌をみていてフッと彼らはどのくらいの速度で泳いでいるのだろうと思い、ストップウォッチと顕微鏡のなかのスケールでよぉーいどん。なんと時速18cmでした。
バイ菌の中にはカール状の鞭毛(べんもう)や周毛(しゅうもう)を持ったものがいてスクリュウのように回転させて水の中を泳ぎ回ります。
長さ数ミクロンのバイ菌さん良くできていますね。
| trinity | 細菌一般 | 10:35 | comments(0) | trackbacks(0) | PAGE TOP
溶けた蒲鉾
decays
赤文字をクリックすると大きい画像にジャンプ

今日は溶けた蒲鉾のお話です。
写真の蒲鉾(画像処理させて頂きました)は矢印の部分が溶けてしまっています。溶けた部分からはBacillus cereus(セレウス菌)が沢山分離されました。セレウス菌は耐熱性の芽胞を作る食中毒細菌ですので注意が必要です。蒸し蒲鉾を作る時に耐熱性芽胞(胞子)が紛れ込んで生き残り蒲鉾の中で繁殖したものだと思います。大変強いタンパク分解酵素を持っていますので蒲鉾のタンパク質を溶かしてしまったのでしょう。最低発育温度は10℃ですので、製造時の冷却に時間がかかったのか、流通・販売・家庭での保存が冷蔵保存状態になっていなかったのだと思います。セレウス菌の芽胞は色々な殺菌剤に耐性ですのでビグアナイド系の殺菌剤で工場を殺菌すれば、少々手荒な保存をされても大丈夫です。
| trinity | 腐敗 | 10:16 | comments(0) | trackbacks(0) | PAGE TOP
食品ネット分析室
今日から不定期に食品研究室の出来事、特にバイ菌に関係する試験や情報について思いつくことをとりとめもなく書きつづっていきたいと思っています。
| trinity | - | 17:18 | comments(0) | trackbacks(0) | PAGE TOP

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