いよいよ食品(チーズ)に抗生物質の使用が許可されるようです。
まずはナタマイシン11月にも認可の見込みと言われています。
食品衛生法には「食品には抗生物質を含有してはならない」という規定がありますが、例外規定として認可されるようです。
衛生法の主旨は抗生物質を日常摂取することで同系列の抗生物質に交差耐性が発現して、疾病治療時に抗生物質が効かなくなることを防ぐ目的かと思います。
ナタマイシンはポリエンマクロライド系抗生物質、マクロライド系のエリスロマイシン等が効かなくなるのではといった心配がありそうですが、ナタマイシンの効果は真菌にだけ認められ細菌には効果が無いようです。いわゆるカビの細胞膜のステロールと結合して細胞壁を壊してしまいます。
チーズと一緒に摂取されたナタマイシンはそのほとんどが吸収されず5%程度が尿から、残りが腸内細菌により分解され便として排泄されてしまいます。
細菌には効果がないことから交差耐性の問題もないように思います。
チーズの表面だけの使用で、ADIが0.3mg/Kg体重/日と設定されていますから危険性はありませんが、外圧に負けて法の精神を曲げるというのはいかがな物でしょうか?これもグローバル社会のなかで仕方のないことなのでしょうか?
ナタマイシンの構造式
赤文字クリックで大画面へ