食品ネット分析室 

食の安全の為、本当に健康に良くないもの?本当に危険なものを考えてみましょう。
添加物だけでなく、環境衛生や分析手法などの画像もアップしています。
 
食品添加物の話(2)
asyousan
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http://www.boso.or.jp/kodawari/bunseki.htmlから頂戴致しました。
前回の食品添加物の話の中で消費者意識の中で、天然は安全、合成は危険といったことに少しふれました。
天然物といえども決して安全な自然物ではなく色々な成分を含んでいます。
まず発色剤として使用され体内で強力な発ガン性物質・ニトロソアミンとなる亜硝酸これはハムなどの発色剤あるいはボツリヌス中毒を防ぐ目的で使われていますが700ppm以上は使用できません。通常の使用量は200ppm程度です。こうした添加物亜硝酸ですが、一般の食材にも沢山含まれています。
ダイコンが危険なんて誰も思いませんよね。
さらには毒性が強く神経系に影響するメチル水銀がマグロやキンメダイに入っているとった報道もショッキングでしたし、最近では野菜や果物の残留農薬の問題。私たちはいったい何を安全の指標にして買い物をすればよいのでしょうか。
| trinity | 食品添加物 | 15:25 | comments(0) | trackbacks(5) | PAGE TOP
タバコシバンムシ接写
tabakoshibanmushi2
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前々回登場のタバコシバンムシをCanon MP-E 65mmレンズで接写してみました。
拡大するとカナブンのような甲虫であることがわかります。
| trinity | 衛生管理 | 14:14 | comments(0) | trackbacks(6) | PAGE TOP
食品添加物の話(1)
食品添加物の数
 指定添加物    (345品目)
 既存添加物    (489品目)
 天然香料     (約600起原物質)
 一般飲食物添加物 (約100品目)

現在合成添加物、天然添加物といった考え方は存在せずすべての添加物の安全性を確認する作業が進んでいます。
例えば嫌われ者の保存料、セブンイレブンさんが保存料を使わないお弁当とか作られていますが保存料の中でもよく使われる物がソルビン酸これはナナカマドの実に存在する天然物を合成で作ったもの、またサケやニシンのしらこ分解物(プロタミン)も保存料として使われています。プロタミンは昔から食品として食べられていた「しらこ」のなかに含まれるタンパク質です。私たちは保存料と聞けば本能的に危険なものといった反応を示しますが。天然だから安全といった考え方も間違っているのではないかと思います。
諸外国では日本のような一般飲食物添加物といった考えはなくお砂糖もSucroseという添加物として扱われています。
天然物も化学品の集まりであり、またレトルト食品のような元々腐らない食品に保存料無添加とか書いてある食品をみると、消費者の無知につけ込んだゼロリスクビジネスを掲げている食品だなぁと感じます。
人間はよくわからないものに対しては不安を感じる、そこを逆手に取ったビジネス=ゼロリスクビジネスあまり感心できませんね。
| trinity | 食品添加物 | 16:33 | comments(2) | trackbacks(2) | PAGE TOP
タバコシバンムシ
tabakoshibanmushi2
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穀物に混入していた衛生害虫の同定です。
写真はタバコシバンムシ(cigarette beetle)です。
飼料工場や、穀物を扱う工場ではよく見つかる虫です。
穀物や製粉した粉を掃除する必要があります。
| trinity | 食品一般 | 11:27 | comments(0) | trackbacks(0) | PAGE TOP
食品の表面と殺菌
surfaces
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約百倍に拡大した食品の表面です。かなりの凹凸があり水分も高いことがわかります。こうした食品の表面に付着した細菌を殺菌する場合にはアルコールが使用されます。一般にアルコールは75%の物が効果が高いと言われていますが、これは水分子とアルコール分子が1モルずつ配合した場合(75%)大きな水-EtOH-水-EtOH-水-EtOHといった分子団を作り表面にEtOH分子が沢山現れ細菌の細胞壁を破壊する為です。しかし食品の表面にはごらんのように水分が沢山有りますので、アルコールは希釈されアルコール分子の表面が水分子で囲まれるようになります。そうするとアルコール分子は細菌表面に接触できず殺菌力が低下すると言った仕組みがあります。
アルコール殺菌を確実に行うためには効果を高めた特殊なアルコール製剤を使用する必要があります。
| trinity | 衛生管理 | 11:25 | comments(0) | trackbacks(0) | PAGE TOP
お餅の腐敗
mochis
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脱酸素剤の入ったお餅にクレーター状の穴があいています。
これはBacillus polymyxa(バシラス・ポリミキサ)による腐敗です。
脱酸素剤が入っていますので、好気性のカビは発育を抑えられていますが、耐熱性の芽胞を作るバシラス・ポリミキサが餅米を蒸す環境でも生き残り空気が有っても無くても発育できる通性嫌気性菌ですので脱酸素剤の嫌気状態でも発育して腐敗を起こした物です。
| trinity | 食品一般 | 10:43 | comments(0) | trackbacks(6) | PAGE TOP
細菌の展覧会(3)
cereuss写真をクリックして大きな画像へ
Bacillus cereus(バシラス、バチルス セレウス)の標準寒天培地上のコロニーです。大きな平たい特徴的なコロニーを形成します。
セレウス菌は強い蛋白分解酵素で腐敗を引き起こすとともに食中毒細菌でもあります。耐熱性の芽胞を形成し加熱食品の中で生き残り食中毒や腐敗の原因となります。
| trinity | 細菌一般 | 09:59 | comments(0) | trackbacks(5) | PAGE TOP
真空パックは長持ちする?
テレビショッピングで家庭用真空パックのCMをやっていました。
テレビCMでは、野菜から、生肉までシンクウパックにするだけで保存期間が3倍から5倍になると言うことですので試してみました。
プロセスチーズ:通常の包装ではカビが生えましたが、真空パックでは赤い酵母が生えてきました。同定してみるとカビはPenicillium sp.(ペニシリウム)酵母はRhodotolura rubra(ロドトルーラ ルブラ)でした。いずれも熱に弱い細菌でおそらく私が包装するときに汚染させたのだとおもいます。
生肉:冷蔵庫においていたのですが、通常の包装ではPseudomonau sp.(シュードモナス)が一番増えました。真空パックではLactobacillus sp.(ラクトバチラス・乳酸桿菌)が一番増えました。
いつ腐敗したかを判別するには見た目が一番、次に臭いといったところでしょうが、真空パックは保存性があがると言うよりも、腐り方が変わるといったところが結論でしょうか?
ふつうの袋に入れていると好気性菌(空気がないと増えない)が真空パックに入れると通性嫌気性菌(空気があってもなくても増える)が増えたようです。
野菜などでは、まだ冷蔵庫にいれても野菜が生きていますので、エチレンガスが発生して真空パックの方が調子が悪いといったこともありそうです。
真空パックにしたから大丈夫はあまり過信しないほうがよさそうでした。
| trinity | 腐敗 | 13:04 | comments(0) | trackbacks(8) | PAGE TOP
冷蔵庫の黒カビ
clads写真をクリックすると拡大します。
冷蔵庫のクロカビを顕微鏡で観察してみました。正体はcladsporium sp.(クラッドスポリウム)でした。冷蔵庫のドアのパッキン部分が少し黒ずんでいたので調べましたが、過去の検査でも冷蔵庫の出入り口のクロカビはほとんどクラッドスポリウムでした。食品に付着すると黒緑の堅いコロニーを作ります。
| trinity | 細菌一般 | 09:37 | comments(0) | trackbacks(2) | PAGE TOP
細菌の展覧会(2)
liches画像をクリックすると拡大します。
Bacillus licheniformisの特徴のあるコロニーです。
花びら状のコロニーは古くなるとやや茶色がかってきます。
この細菌も耐熱性の芽胞を作るBacillus(バシラス、バチルス)属の細菌で、蒲鉾のネトの原因細菌として知られています。
| trinity | 細菌一般 | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) | PAGE TOP
細菌の展覧会(1)
subs画像をクリックすると拡大します。
Bacillus subtilis(枯草菌)のコロニーです。
クレーター状の特徴のあるコロニーですので一目でわかります。
パンのロープや蒲鉾のネトの原因菌で耐熱性の芽胞を作ります。
パン屋さん、蒲鉾屋さん細菌検査でこのコロニーがでたら要注意です。
| trinity | 細菌一般 | 09:02 | comments(0) | trackbacks(6) | PAGE TOP
米国産牛肉輸入再開へ
今週のトピックスはなんと言っても米国産の牛肉が全頭検査なしで年内にも輸入が再開されるという新聞記事。
狂牛病・牛海綿状脳症(BSE)はプリオンと呼ばれるタンパク質が牛の脳や脊髄などに蓄積されて発症する物です。人にも感染しクロイツフェルトヤコブ病を起こします。
牛がBSEにかかっているかどうかはELISA法という抗原抗体反応を使ってプリオンを測定しますが、実は若い牛は十分なプリオンが蓄積されていないので検査してもすべて陰性。全頭検査ははじめから若い牛には無意味だったのです。
狂牛病は生後平均60ヶ月の牛で発症し、症状が現れます。正常に立っていられない牛の映像はTVで何度も写され衝撃的でした。症状が現れれば検査しなくてもわかります。ELISA法による全頭検査は症状が現れていない牛の発病前6ヶ月の牛だけ陽性になります。
つまり狂牛病の牛が日本より少ない米国の若牛は、全頭検査しなくても日本の牛より狂牛病にかかっている可能性が低いことは専門家のあいだではとっくにわかっていたのです。
でもこれで、安くておいしい牛丼が食べられますね。 拍手
bse2s
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| trinity | 食品一般 | 09:55 | comments(0) | trackbacks(3) | PAGE TOP
ハム大爆発
ham2s
赤文字をクリックして大画面へ真空パックのハムが爆発しそうです。仕業はヘテロ発酵型のLactobacillus(乳酸菌桿菌)が原因でした。ヘテロ発酵型の乳酸菌は糖を分解して乳酸だけではなく、ほかの有機酸や炭酸ガスも発生させます。真空パックのスライスハムがガス膨張したのは炭酸ガスがたまったためでした。Lactobacillusは熱には弱い細菌(易熱性菌)ですので加熱後に二次汚染した物です。
スライス前に、アルコール製剤(有機酸併用型)で除菌してやる必要があります。75%の消毒用アルコールでは完全な除菌ができません。
| trinity | 腐敗 | 15:20 | comments(0) | trackbacks(4) | PAGE TOP
食品に抗生物質の使用が認可
いよいよ食品(チーズ)に抗生物質の使用が許可されるようです。
まずはナタマイシン11月にも認可の見込みと言われています。
食品衛生法には「食品には抗生物質を含有してはならない」という規定がありますが、例外規定として認可されるようです。
衛生法の主旨は抗生物質を日常摂取することで同系列の抗生物質に交差耐性が発現して、疾病治療時に抗生物質が効かなくなることを防ぐ目的かと思います。
ナタマイシンはポリエンマクロライド系抗生物質、マクロライド系のエリスロマイシン等が効かなくなるのではといった心配がありそうですが、ナタマイシンの効果は真菌にだけ認められ細菌には効果が無いようです。いわゆるカビの細胞膜のステロールと結合して細胞壁を壊してしまいます。
チーズと一緒に摂取されたナタマイシンはそのほとんどが吸収されず5%程度が尿から、残りが腸内細菌により分解され便として排泄されてしまいます。
細菌には効果がないことから交差耐性の問題もないように思います。
チーズの表面だけの使用で、ADIが0.3mg/Kg体重/日と設定されていますから危険性はありませんが、外圧に負けて法の精神を曲げるというのはいかがな物でしょうか?これもグローバル社会のなかで仕方のないことなのでしょうか?
ナタマイシンの構造式
natamycin2
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| trinity | 食品一般 | 15:28 | comments(1) | trackbacks(220) | PAGE TOP

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