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今日は溶けた蒲鉾のお話です。
写真の蒲鉾(画像処理させて頂きました)は矢印の部分が溶けてしまっています。溶けた部分からはBacillus cereus(セレウス菌)が沢山分離されました。セレウス菌は耐熱性の芽胞を作る食中毒細菌ですので注意が必要です。蒸し蒲鉾を作る時に耐熱性芽胞(胞子)が紛れ込んで生き残り蒲鉾の中で繁殖したものだと思います。大変強いタンパク分解酵素を持っていますので蒲鉾のタンパク質を溶かしてしまったのでしょう。最低発育温度は10℃ですので、製造時の冷却に時間がかかったのか、流通・販売・家庭での保存が冷蔵保存状態になっていなかったのだと思います。セレウス菌の芽胞は色々な殺菌剤に耐性ですのでビグアナイド系の殺菌剤で工場を殺菌すれば、少々手荒な保存をされても大丈夫です。