大腸菌をデスオキシコレート培地で画線分離(single colony isolation)した物です。
大腸菌群は、グラム陰性で乳糖を発酵して酸とガスを産生する通性嫌気性・無芽胞桿菌ですので、乳糖を発酵させる条件にしなければ培地中のニュートラルレッド(中性〜アルカリで黄色、酸性で赤)が赤く発色しません。画線分離は培地表面にコロニーがありますので、乳糖が発酵の状態になっておらずコロニーのレンガ色が白くぼけてしまっています。大腸菌は通性嫌気性ですので呼吸でエネルギーを作り発育しているのでしょう。
ラフテストで大腸菌群類似の腸内細菌等を測定する場合は重層は不要ですが、正確に測定する場合は重層して乳糖が発酵され産生された酸でニュートラルレッドがレンガ色に発色したコロニーだけをカウントします。しかし大腸菌群によって乳糖の発酵力が異なりますので、レンガ色の色調もやや異なります。公定法ですのでなれなければしかたがないですね。