食品ネット分析室 

食の安全の為、本当に健康に良くないもの?本当に危険なものを考えてみましょう。
添加物だけでなく、環境衛生や分析手法などの画像もアップしています。
 
大腸菌群
desoデゾキシコレート培地
大腸菌群とは乳糖を発酵して酸とガスを生産するグラム陰性の無芽胞桿菌といった細菌の一群です。細菌学的な分類とは異なり、エンテロバクターやもちろん大腸菌も含む腸内細菌の一群です。元々の由来が腸内に生息する為、糞便汚染の指標菌として使われていますが、腸内以外にも広く分布しています。そのため現在では加熱で死んでしまう菌群ですので加熱食品での二次汚染の有無や加熱が十分であったかといった程度の意味しか無くなっています。しかし食品衛生週間には糧販店の売場からサンプリングされた加熱後包装食品で大腸菌群が陽性となると、食品衛生法違反となります。
本来はBGLB発酵管(液体培地)でのガス酸性やINViC試験などを行いますが、写真はデスオキシコレート培地で簡易試験として日常行われるものです。
培地には0.1%のデゾキシコール酸(胆汁酸の一種)が入っており腸内の環境を作り出しています。グラム陽性菌はこの培地では一般的に増殖をしません。本培地を使うときは検体を混釈して寒天培地を作った後さらに同培地を重層して赤色混濁コロニーが大腸菌群と判定されます。
腸内細菌による汚染を測定するのであれば、バクテロイデスなどは腸内で大腸菌群の一万倍程度存在しますので、そちらの方が正確な指標菌になりますが、バクテロイデスは偏性嫌気性菌のためサンプリング中に空気と接触して死滅する比率が高いので、好気性或いは通性嫌気性の大腸菌群が未だに重宝されて指標菌となっています。何事も基本が大事、食品衛生の基本中の基本大腸菌群が検出されないような環境を作り上げましょう。
| trinity | 衛生管理 | 10:08 | comments(0) | - | PAGE TOP

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