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細菌には大別すると好気性菌と通性嫌気性菌、偏性嫌気性菌がいますが判定の仕方として簡単なのが液体培地での発育状況での判定です。好気性菌は液の表面近くでのみ発育しペリクルと呼ばれる膜を表面に作ります。シュードモナスなどがこのタイプです。偏性嫌気性菌は発育しても液体培地の底の方だけです。全く発育しない物も多く、鉄クギを液体培地に入れてやると発育する物もいます。クロストリディアなどがこのタイプの細菌です。多くの細菌は通性嫌気性といって酸素の有無にかかわらず生えてきますので液体培地の全体に発育します。大腸菌群もこのタイプです。珍しいのは微好気性細菌です。液体培地の表面には発育しませんが、表面のやや下の空気が少し少ない環境で発育します。食中毒細菌のキャンピロバクターがこのタイプに分類されます。これらの性質は呼吸でエネルギーを得ているか、発酵でエネルギーを得ているかによる違いです。
追加 カビはご存じのように好気性ですので液体培地の表面にしか発育しません。液面に浮いた形で分生子まで作ります。液体培地を震蕩培養(しんとう)すると空気が混ざり合いカビは菌糸だけ発育します。
キャンピロバクターの測定には嫌気ジャーとキャンピパックと呼ばれる、ガス発生パックで培養が必要です。