写真はクロストリディアを軟寒天培地で嫌気培養した物です。
嫌気性菌の培養には嫌気チャンバーか嫌気ジャーが必要です。シャーレが10枚程度はいる嫌気ジャーがあれば何とかなります。滅多に嫌気性菌の測定をされない方は嫌気ジャーも必要がありませんので、クロストリディウム用の嫌気パウチ(使い捨て)を使ってください。
クロストリディア(Clostridium sp.)は比較的空気にさらされても発育ができます。液体培地にクギを入れて培養しても発育する菌もいます。鉄が液体培地にとけ込んでいる酸素を吸収して酸化第二鉄(ベンガラ)になることで液体培地が嫌気状態になります。C.perfringensあたりはクギ培養だけで生えてきます。
Bacteroides sp.やEubacterium sp.などの腸内細菌の嫌気性菌は空気に非常に弱く、分離や形態培養も窒素を噴出しながらやらなければ空気中では死滅してしまいますので、こうした偏性嫌気性菌を扱う場合には少し大きめの嫌気チャンバーが必要になります。