遺伝子組み換えを通常の掛け合わせで行なう方法があります。
それはある特殊な形質を持った種Aの特殊形質を品質の良い形質を持った種Bに写してやりたいときどうするか?
遺伝子組み換えですと、その特殊形質に相当する遺伝子を取り出して核外遺伝子(プラスミッド)にしてAgrobacterを使って感染させると特殊形質が簡単に植物から植物に組み替えで一代で終了してしまいます。
ところが自然交雑で行なうためには、A種とB種を交配させできたF1に品質の良いB種を何代かかけ戻し(戻し交配という)してやると子孫の中にAの特殊形質を維持しながら次第にBの品質を獲得するものができてきます。核の遺伝子が繰り返しBと交配するために限りなくBに近くなります。そして最後に母親をB種にして掛け合わせを行なうと、細胞質は母親から遺伝しますのでBの品質に近いものができあがります。さらにAの特殊形質は最後の掛け合わせでヘテロになっていますので、自植を繰り返して子どもが全てAの特殊形質を持っているホモの子孫を何代か植えついでBの特殊形質をAに入れることが可能となります。
こうした交雑をおこなうのに植物ですと年に2回栽培できたとしても10年近い時間が必要です。そして結果的には余分なAの遺伝子を含む特殊形質がBに移ったことになります。遺伝的に見ると遺伝子組み換えの方が、必要な遺伝子だけを組み込むので安全とも考えられますが、遺伝子組み換えへの消費者の偏見は根強いものがあります。
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