インターネットショッピングに出展されている犬用のサプリメント・キシリトール含有です。
キシリトールについては過去にも何度か取り上げました。キシリトールが犬には危険であることは、食品添加物に認定される時の動物実験でもわかっており
日本食品化学研究振興財団の記事にも以下の内容が記載されています。
ビーグル犬を用いた混餌(2、5、10、20%)投与による104週間の反復投与試験において、20%投与群で肝比重量の増加が、10%以上の投与群でGPT等の血清酵素値の上昇、門脈周辺の肝細胞質の淡明化が認められる。肝比重量の増加、血清酵素値の上昇及び門脈周辺の肝細胞質の淡明化は、高濃度のキシリトール投与により、インスリン分泌が促進され、グリコーゲンが生成し、それが肝臓に蓄積したことなどによるものであると考えられる。
ヒトの場合はキシリトールは小腸で吸収されインシュリン非依存性糖アルコールとしてキシロースに分解された後にペントース・リン酸系で代謝されますが、犬はキシリトールの分解吸収にインシュリンが必要ですので、インシュリンが急激に分泌され、血中のブドウ糖が消費されグリコーゲンとして肝臓に蓄積する過程で低血糖を起こし、意識を失って獣医師の元に運び込まれる事例が相次いでいるようです。
ほとんどはヒトのキシリトール含有食品の誤食が原因ですが、最近は犬用のサプリメントも販売されており(上の写真はサイトから頂戴して商品名を消させて頂きました)安易な犬へのサプリメントは危険です。