ススカビ(Alternaria sp.)です。大変特徴的な分生子を作りますので顕微鏡観察をすればすぐに見分けがつきます。
先週は週末に東京に出張。11年前にイギリスの棚にしまい込んである殺菌剤を掘り出すために、英国系の会社の日本支社を訪問してきました。
食品は味・香り、外観、衛生のどれがかけても食品にはなりません。
匠の職人さんが食品原料にこだわるように、衛生の匠は洗浄除菌剤にこだわってほしいものです。
洗浄殺菌剤は、食品工場の衛生環境維持の為に必要なツールですが、最近は価格の安い粗悪品に流される傾向が出てきています。洗剤メーカーさんが四級アンモニウム塩を少し添加した両性系の洗浄剤や洗浄力の強いアニオン系の洗剤に殺菌力のほとんど無いPCMXやイルガザンなどの防腐剤を加えたものなどの安価品が販売されています。こうした薬剤では耐性菌がどんどん食品工場を蝕んで行くことは明らかなのに、対象が目に見えない細菌ですので。結果がすぐには目に見えて現れてくれません。耐性菌だらけになった食品工場の衛生維持を初めからやり直すのがどれだけ至難な作業なのかを知らずに安価な洗浄剤に流されてゆく食品業界に不安を感じています。